ネット小説はどれだけブクマがつかなくても、絶対に更新を止めたり削除したりしてはいけないと感じた話。
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自戒を込めて。
筆者がネット小説に投稿し始めたのは、2016年12月。「小説家になろう」で拙作『高卒参謀長と《白鯨殺し》の少女』を公開したのを皮切りに、これまで3作の作品を投稿しました(途中ろくに更新しなかった期間もあり、お読みいただいていた皆さん、本当に申し訳ありません)
実質1年間の活動を通じて、本当にいろいろなことを考え、感じました。
特に、事前にネット投稿の先輩である友人・知人たちから聴いていた「ブクマがつかなくて凹む」など、投稿サイトのリアルを肌で感じた1年でした。
そんな1年を経て、最も強く感じたのが、タイトルにある通りですが、
「ネット小説はどれだけブクマがつかなくても、絶対に更新を止めたり削除したりしてはいけない」
ということ。今日はそんな話です。
筆者が最初に投稿した作品は異世界転移ものだったので「小説家になろう」との相性が良かったのか、初日に7ブクマを頂きました。その後は1日1〜2ブクマの増減を繰り返しながら、第1章の最終話を公開した時にちょうど50ブクマ目。
そのため、第1作目『高卒参謀長と《白鯨殺し》の少女』では、知人が悩んでいた「ブクマがつかなくて凹む」という苦しみを味わうことが正直ありませんでした。
(こんな感じで推移しました)
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続けて2作目として投稿した作品が「白船一番艦の受難」。これは川原正敏先生の漫画である『海皇紀』をフルリスペクトした作品で、帆船による海戦に特化した作品でした(海皇紀は本当に面白い&素晴らしい漫画ですので、ぜひ読んでみてください! と露骨に布教しておきます。笑)
同作はブクマをほぼ期待していませんでした。帆船というラノベ界隈ではニーズが極めて少ないジャンルであることと、操船についてある程度は把握されている読者を前提とした作品だったので、よほど趣味の合う方でないと読まない(読めない)だろうと思っていました。
(王海走の話が一番好きです。画像の11巻は海都編ですが、この表紙が好きなので)
・・・が。
いくらそうした理屈があっても、そして最初からブクマを期待していなかったとは言っても、やはり気にはなるのが人間(創作者?)の性なのでしょうか。
やはり、つかなかったらつかなかったで、心にチクっと来るものがありました。
ちなみに同作は既に連載を終了し、最終的なブクマ数は11。もちろん人気作などと呼べるレベルではありません。
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そんな同作の連載は、2017年2月2日から始まり、2017年12月31日までかかりました。
更新頻度としては、2月に8話を更新したのに対して、3月は1話、4月は3話、5月は2話。そして6月から8月は、それぞれ1話。8月6日から12月20日までの間は、まったく更新していませんでした。
なぜ4ヵ月も更新が止まったのか?
理由は「これ更新する意味あるのか?」と思ったからです。
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4月頃から、薄々そう考えていました。ブクマもつかない、PVも伸びない、つまり読まれていないわけです。つまり市場から求められていない。であるならば、そもそも更新する必要があるのかと。
プロではないから、そこまで気にする必要はないのかもしれません。プロをめざすことを止め、趣味で続けていただけでしたから、好きなものを好きに書けばいいのではないかと思いました。
そんな悩みを抱えたモチベーションゼロな状態で作品など書けるはずもなく、徐々に更新頻度が落ち・・・そして夏場に仕事が繁忙期を迎えたタイミングで途絶え、以降はゼロ更新が続きます。
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そして、11月くらいだったでしょうか。こんなことを思いました。
「削除していいんじゃね?」
誰にも読まれないのなら、掲載しておくだけ無駄なわけです。であれば、消してもいいのでは、と。
突発的に思ったので、その理由は筆者自身にも定かではありませんが、たぶん「誰にも読まれていない惨めなものを、いつまでも晒しておきたくないと思ったから」なのでしょうね。
こうして徐々に同作を削除する方向へと気持ちが傾いていきます。そして年末という良いタイミングが近くにあったので、そこで消そうとリアルに考えていました。
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・・・が。
12月に入った、ある日。
ふと、気づきました。
「・・・誰にも読まれてないって、そんなわけなくね?」
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その気づきの衝撃はかなりのものでした。なぜ自分は、いつの間に同作を「誰にも読まれていない作品」と思っていたのか、今となっては不思議でなりません。
そして同時に、物凄い自己嫌悪に襲われました。
11ブクマ。
この数字の持つ意味は、なんでしょうか?
11ブクマしかついていない?
違います。そうじゃなかったんです。
11人の方が、読者になってくれているのです。
読者は、確かにいるのです。
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なんでこんな当たり前のことに、1年間も気づかなかったのか。本当に不思議でした。
そして、その理由を考えているうちに、気づきました。
自分は今まで「読んでくれなかった人たちのことばかりを考えて、読んでくれている人たちのことを考えていなかった」のだということに。
これが自己嫌悪の正体です。
自分は、読んでくれない人たちを振り向かせることにばかり頭を使い、読んでくれている人たちのことなど何も考えていませんでした。「削除していいんじゃね?」というのは、まさにそれ故の発想ですよね。
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12月21日以降で同作を一気に更新し始めたのは、それ故でした。
久しぶりに投稿サイトで小説の情報ページを覗いた時、ブクマ数は11のままでした。
これまでずっと更新を放置していたのに、それでも11人の方は、ずっと待っていてくれました(人の入れ替わりはあったかもしれません。作品の性質上、あまりない気もしますが)
それを見た時、恥ずかしい話ですが、リアルにうるっときました(三十路を超えると涙もろくなって駄目ですね、こういうの。苦笑)
故に、大晦日までに完結させると決意。そして昨年末、無事に最終話をアップすることができました(作品自体は2014年くらいに書き上がっていました)
その後、お二人の方が評価をくださり、文章評価・ストーリー評価ともに満点。あんな筆者自身が贔屓目に見ても不出来な作品に、そんなうれしい評価を頂けるとは思っていなかったので、本当にうれしかったです。
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いまネット投稿をされている書き手の方は、たくさんいらっしゃると思います。
そしてブクマがつかなくて、凹んでしまっている方も。
投稿する意味を見失いかけ、自作を消そうか悩んでいる方も。
・・・が。
こんな木偶の坊が偉そうに言えた義理ではありませんが、たとえブクマがついていなかったとしても、できれば削除せず、最後まで更新を頑張ってほしいと、個人的には思います。
もちろん、最終的にどうされるかは個々人の自由です。
ですが、どこかであなたの作品を読み、続きを楽しみにしてくれている方がいるかもしれない以上、やはり最後まで完走してほしいと思います。
それは、作品で評価を集めるよりも大切なことだと思います。
きれいごとですけどね。苦笑。
きれいごと大好きなんで。笑。
・・・とか言いつつ、拙作『高卒参謀長と《白鯨殺し》の少女』は、第2章前半の段階で無期限休載に入ったので「お前が言うな」って感じですけどね。苦笑。
がんばらにゃ。