cachikuのブログ

元「本を読んだ気になるブログ」です。個人の備忘録である点は変わりません。

知られざるパワポの便利機能「図形の合成」

会社で先輩から「パワポでこんなことできない?」と質問されて、この「合成」という機能について教えたら、アメーバ10人中9人、つまり自分以外が知らないという事実にショックを受け、ふと「なんでこんな便利な機能が知られていないのか本当に理解に苦しむ」と訳の分からない使命感に燃えたので、書いてみます。なんか支離滅裂なリード文ですが、それだけショックだったのだと思ってください。苦笑。

 

 

パワーポイント(以下、パワポ)には、図形の合成という機能があります。Windowsでは「ユーザー設定」の同項目にチェックを入れないと使えませんが(たしか)、Macではデフォルトで使えます。

この機能、特に「図形描画でアイコンをつくりたい」などというユーザーには非常に便利なのです。でも、ほとんど誰にも知られていない不遇の機能なのです。会社で「この機能、知ってる?」と訊いていただければ、おそらく10人中10人が知らないというと思います。めちゃめちゃ便利で面白いんですが……。

 

そういうわけで、このなんか可哀想な機能について、勝手に布教したいと思います。

まず「図形の合成」ができると、以下のようなイラストが簡単につくれます。

20160818143547

カメラ。もちろん、線を一本一本、必死に配置したりはしていません。

 

「図形の合成」を使うために必要な設定

Macなら特別な設定は必要ありませんが、Windowsの場合は「ユーザー設定」からこの機能を使用可能にする必要があります。ただ、Officeのバージョンによっても違うのでご注意ください(2013はデフォルトで使えるようです)

 

www.relief.jp

 

「図形の合成」でできること

さて、この「図形の合成」メニューからは、いったいどんなことができるのか。以下はMacのOffice画面ですが、こんな5つの機能が用意されています。

 

20160817180439

 

「和集合」「結合」「切り出し」「交差」そして「型抜き」

ちなみに、メニューアイコンが表示されるのは、Macでは「図形の書式設定」、Winでは「描画ツールの書式」のメニューです。

 

このうち特に便利なのが「和集合」と「型抜き」なのですが、まずは一通りどんな機能なのかを見てみましょう。

以下に、四角と丸、2つの図形を重ねて、それぞれの機能を両者に適用したとき、どんな効果が得られるのか、まとめてみました。なお「合成」は上図のように、2つの図形を選択して、はじめて使えます。

 

20160817175543

 

左上がデフォルトの画像です。そして、各機能の名称の下にあるのが、その機能を適用した後の図形です。簡単にまとめると、

 

  • 和集合:数学の和集合まんま。
  • 結合:重なった部分だけが抜け落ちる。
  • 切り出し:両者が交差した箇所で図形を分解する。
  • 交差:重なった部分だけが残る。
  • 型抜き:重ねた図形の形を空ける(クッキーの生地を型で抜くイメージ)

 

「切り出し」は、適用直後の見た目は「和集合」のようになります。また「型抜き」は、どちらの図形を先に選択したかによって、抜き方が変わってくるので注意してください。

また、上図を見ると「形」以外にも変わっている要素があることに気づくと思います。そう「色」ですね。この成果物の「色」も、どちらの図形を先に選択したのかによって変わってきます

 

というわけで、「四角と丸のどちらを先に選んだか」によって「色」がどう変わるのかを、以下にまとめてみました。

 

20160817175544

20160817175545 

成果物の「色」には「先に選んだ図形の色」が適用されていることが分かると思います。一方「形」は「型抜き」以外、変化しません。どちらを先に選択しても同じですね。

 

では、今度は違う図形で見てみましょう。四角形を3枚かさねて、それぞれの機能を適用してみました。

 

20160817175546

 

 

このなかで「結合」がなぜ上図のような結果になるのか、わかりにくいと思うので、簡単に説明しておきます。

3つの図形の「結合」過程を分解すると、次のようになります。

 

20160817175547

 

(青・先)や(灰・先)というのは「どちらの色の四角形を先に選択したか」を表しています。デフォルト(1)の場合、最初に青色と灰色の四角形を「結合」する際、先に青い四角形を選択した、ということですね。なお、3つを一括で選択した場合、デフォルト(1)の流れとなります。

 

和集合のメリット:合成物を一つの図形として扱える

この5つの機能のなかで、特に便利なのが「和集合」と「型抜き」です。

このうち「型抜き」は機能的に分かりやすいと思うので、ここでは「和集合」について詳しく見ていきましょう。この機能の最たるメリットは「和集合によって合成された図形は、一つの図形として扱える」という点です。

・・・と言っても、なにを言っているのかよく分からないと思うので(うまい言葉が出てきませんでした)、とりあえず以下の図をご覧ください。

 

20160817175548

 

四角形3枚を「結合」した図形に、さまざまな効果をつけてみました。ご覧いただくと一目瞭然かと。「和集合」した結果の図形は、複数の図形の集合体=グループ化した状態ではなく、一つの図形として扱えるのです。

これによって、たとえば、以下のような図形をつくることができます。

 

20160817175549

 

パワポの図形描画だけで、上図のようなアイコンやイラストをつくる場合、中列のように色々な図形を並べて四苦八苦すると思います。なんとも粗だらけですね。一番下のボールを蹴る人物は、これはこれで味がある気もしますが。

左列の「元のイラスト」のように、輪郭線を消して、中を色で塗り潰すなら、その粗もばれません。ですが、線画にした途端、中列のようにものすごくださくなってしまいます。

 

ですが、この中列で並べた図形を、すべて「和集合」でくっつけてしまえば、右列のようにとてもきれいなイラストにできるのです。

 

20160817184107

 

左上のカメラをご覧いただくと、一つのオブジェクトと化していることがお分かりいただけるかと思います。そのため、色も各パーツごとに塗り潰す必要はないし、パターンやグラデーションも上図のように、きれいに入ります。

 

「和集合」と「型抜き」で「本」のアイコンをつくってみた

では、これらの機能を駆使すると、どんなアイコンやイラストがつくれるのか、参考までに3つ紹介したいと思います。まずは「本」。

20160818143544

パワポの「図形描画」と「図形の合成」だけでも、こんな感じのアイコンくらいなら簡単につくれます。ここで難しい(というほど難しくはないですが)のは、ぺらりとめくれているページですが、これは以下のような手順でつくっています。

 

20160817175551

 

  1. 四角形(灰色)の両端に円(濃い灰色)をのせる
  2. 片方を「和集合」で統合する
  3. もう片方を「型抜き」で抜いてしまう
  4. 横に伸ばす
  5. 適当な図形で左を半分ほど隠して「型抜き」する

 

最後の手順5.が分かりにくいかもしれないが、要は、

20160817175552

こういうことですね。図形の消したいところを適当な図形(上図では四角形)で覆って「型抜き」すれば、覆われた部分を消せます。

これ以外の部分については、特に説明は不要でしょう。背表紙の部分は角丸四角形を置いただけです。めくれていないページは、手順4.の図形の幅や丸みを調整するだけで簡単につくれます。

 

「和集合」と「型抜き」で「太極図」をつくってみた

つづいて「太極図」をつくってみました。

20160818143545

あまり説明することはありませんが、手順は以下のとおりです。

 

20160817175554

 

  1. 半円(灰色)に半径分の真円(濃い灰色)を重ねて「和集合」
  2. 逆側に同じ真円を重ねて「型抜き」、左の真円の中心も同様に型抜き
  3. 完成(片方)

 

説明が手抜きですが、ご容赦願います(つかれてきました。苦笑)

これで片方は完成。このあと、もう片方を同じ手順で、色を反転させてつくっても良いですが、大きな真円(塗り潰し:白、線:灰色)を用意して、その上に上図の半分を乗せて、この真円に小さな穴を空ければ、作業的には楽だと思います。

 

「和集合」で「ECのカート」をつくってみた

見出しからして、もうやる気がないのが見え見えですが、とりあえずつくってみました。

20160818143546

もう説明は不要でしょう。四角形と丸を並べて「和集合」でドン、です。

 

20160817175556

 

ぜひ、ご自身で挑戦してみてください。慣れれば5分程度、初挑戦でも10分もあればできると思います。しかもわりと楽しい(主観)

 

皆さんもぜひ、テキストやデフォルトの図形を並べたり、色を変えたりするだけではなく、この便利なのに不遇をかこっている(?)機能「図形の合成」の虜になっていただければと思います。

 

というわけで、今日のところは眠いので、寝ます。