cachikuのブログ

元「本を読んだ気になるブログ」です。個人の備忘録である点は変わりません。

「嫉妬する暇があるならそいつを見習え」

今回は、昔の上司にそんなことを言われた話です。

 

     *

 

「こうしていると、どんな風景でも綺麗に見える。そうすれば、どんなキツい時でも、少しは意味のあることだと思える」

 

たしかそんな意味内容だったと思います。

 

いきなりなんの話かと思われるでしょうが、これはその昔、マガジンで連載されていたトッキュー!!という漫画に登場するキャラクター・石井盤(めぐる)青年のセリフです。100キロ行軍(山梨の某所から羽田まで24時間以内に走破するという最終入隊試験だったかと思います)の最中、兵吾が「なんでいつも音楽、聞いてるの?」とやや突っかかるように尋ねたら、いつも勝気で弱さなど見せない盤が、やや神妙な横顔でこう答えたのがいまでも印象に残っています。

ただ、そこは自信家の盤青年。あくまでも変えるのは世界のほうで、決して自分ではないのはさすがだなと、なんか意味不明な納得感を得た記憶もあります。

 

今回は彼とは逆に、自分を変える話です。

 

高校から大学にかけて、筆者は非常に心の汚い人間でした(突然ですが。苦笑)。プライドが強かったといいますか、過去に拘泥していたといいますか……やたらに人と自分を比べて、自分のほうが上(優秀、物知りなど)だという点を探し出そうと必死になっていたのを覚えています。もちろん決して表には出しませんでしたが。

それは物凄く些細な点にも及びました。わかりやすい例か微妙なのですが、たとえば自分が道を歩いていたとき、正面から人が来たとします。そして、双方が同じ側(右なら右、左なら左)にいたとしましょう。このとき、意地でも道を譲りたくないタイプでした。笑。いまから思うと、なぜこんなどうでもいいことに拘っていたのか、甚だ疑問なのですが、それくらい自意識が強かったのでしょうね……。

 

ラノベ新人賞受賞に挑んだ際、最も苦労したのは、実はこうした自意識、簡単にいえば「嫉妬体質」を改善することでした。

 

では、なぜそうしようと思ったのか。理由は2つあります。

 

  1. そんな自分が嫌いだったから
  2. 明らかに成長を阻害する因子だから

 

1. について。

上記のような心の汚いことを考えたり、行ったりするにつけ、直後に必ず自己嫌悪に陥るのが常でした。「なんでこんなことやってんだ」「なんて心が汚いんだ」と。

ですが、それでも心の奥底にびっしり根を張っているのか、意識してもなかなか抜けることがなく……いつか絶対に変えたいと思い続けていましたが、そのままズルズルと時間ばかりが過ぎていきました。

 

2. について。

こうした嫉妬体質は、明らかに成長を阻害する因子だと思っていました。そのためラノベ新人賞受賞に挑戦する上で、是が非でも変えると決めました。

 

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