cachikuのブログ

元「本を読んだ気になるブログ」です。個人の備忘録である点は変わりません。

【読んだ】『君と夏と、約束と。』(麻中郷矢さん)

書評は苦手なため、基本的に書かないようにしています。面白かったとしか書けないので。苦笑

ただ今回は別ということで、例のラノベ新人賞の際に、縁あって「小説家になろう」でちょこちょこやりとりさせていただいた麻中郷矢さんのデビュー作が発売されたので、せっかくなので紹介させていただこうと思います。 

タイトルは『君と夏と、約束と。』(刊:GA文庫)。第9回GA文庫大賞で奨励賞を受賞された作品です。

 

君と夏と、約束と。 (GA文庫)

君と夏と、約束と。 (GA文庫)

 

 

やっぱりイラストがつくの、いいですね。ラノベ書いている方なら、アマチュアの方でも誰もが「この絵師さんに書いてほしい」などの夢を抱くのではないかと思います。筆者も例に漏れず、作品を書くたびに思います。笑。

 

あらすじは、ネタバレは避けたいので、ソフトバンククリエイティブさんのホームページから引用させていただきます。

 

7年前に突如として消えた彼女。無為な日常を送りながら大学生になった彼。
彼女があの頃の姿のまま現れたことで、二人の時間がまた動き始める。

「葉月、なのか......?」

「うん......そうだよ」

7年前に行方不明になった彼女は突如として現れた。
消え去った当時のままの14歳の姿で――。

かたや大学生になっていたヒナタ。

同級生だったはずの二人に生じた7年のズレ。

齢の差があっても気持ちを通わせ合う二人だが、
お互いが覚えている「昔の記憶」には、
なぜだか微妙な違いがあり......。

ふとヒナタの心に疑問が浮かぶ。
目の前にいるのは、本当にかつて一緒に時間を過ごした相手なのか?

それは葉月も、また同じだった。
彼女はおびえた目でヒナタに問いかけてきた。

「あなたは......誰、なの?」

 

(引用:SBクリエイティブ:君と夏と、約束と。

 

以下、ネタバレ満載のため、ここで区切らせていただきます。お読みになっていない方はご注意ください。

一言だけコメントしておきますと、青春小説や恋愛小説などで「青臭いセリフや甘々ベタベタな恋愛模様を見ると、恥ずかしくて思わずページを飛ばしてしまう」という方には、特にお勧めです! ただ心の準備をしてからでないと、ほとんどのページを読み飛ばすことになってしまうかもしれませんが。笑。

 

 

というわけで、以下はネタバレ全開です。

 

作品としては、タイムトラベルものです。

葉月は行方不明になった当時から7年後、主人公・ヒナタが大学生となった時代へタイムトラベルしてきて、そして彼の前に再び現れます。

 

序盤はその事実に戸惑い、しかし7年ぶりの恋人との再開に心も踊る、そんな複雑なヒナタの気持ちが、時に繊細に、時に直情全開の恥ずかしい形で表現されています。上記にあるとおり、普段「青臭いセリフなどを読むと、恥ずかしくてページを飛ばしてしまう」という方は、心してかかったほうがいいかもしれません。笑。

物語は、ヒナタと葉月の視点が入れ替わる形で進みます。ヒナタのほうは上記のような感じですが、対する葉月のほうはというと・・・序盤は年相応な純情ぶりがフルスロットル。寝ているヒナタにこっそりキスしようとして悶えるとか。今の時代もう絶滅危惧種じゃないかと思えるくらい、直情×直情のバカップル過ぎて「どっかほかの見えない所でやってくれ」と思いたくなるほどです。笑。

 

そんな葉月は最初、自分の身に起こっている出来事をすべて「夢」だと思っています。

・・・が、さまざまな出来事を経て、その認識が間違っているのではないかと薄々思い始めます。ヒナタの目玉焼きの食べ方が自分の思っていたのと違う、ヒナタの思い出と自分の思い出が食い違っている・・・などなど。

このあたりの些細な描写が、個人的に好きです。自分は日常生活や恋愛をテーマとした青春小説や恋愛小説など、文芸寄りの作品が書けないので(日常生活をどう切り取ったら魅力的に映るのかわからないので)、こういう視点・感性があるのはホントに羨ましいなぁとも思って、読んでいました。

 

さて、葉月は徐々に「今が夢ではなく現実であること」「目の前のヒナタが、自分の知っているヒナタとどこか違うこと」に感づきはじめ、そしてある出来事をきっかけに、それは確信に変わります。

そして彼女は口にします。「あなたは・・・誰、なの?」と。

 

その直後、いきなりヒナタのバイト先の後輩である喜野が部屋に不法侵入してきます。

彼女は冒頭から登場する人物で、記憶障害のある女子力ゼロの巨乳おっさん風女子大生という設定(麻中さんごめんなさい。笑)。ヒナタのバイト先の老夫婦に拾われ、家族同然の暮らしをしています。

そんな彼女、実は葉月と同じタイムトラベラー。ただし未来からの来訪者です。そして彼女はタイムトラベルの原理や元の時代に戻る方法を知っており、元の時代に戻りたいという葉月の力になれると言い出します。

 

そのタイムトラベルの原理とは・・・ここはさすがに控えましょう。作品の肝でもあるので、ぜひご一読いただきたいです。作品のコンセプトは「恋人を想う気持ちは時をも超える」であるとだけ書いておきます。

ここから先、ラストまでの展開は、ぜひ一読いただければと思います。

 

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