cachikuのブログ

元「本を読んだ気になるブログ」です。個人の備忘録である点は変わりません。

新しいことを効率よく学ぶコツ

高校時代のクラスメイトから「俺も試しにクラウゼヴィッツの『戦争論』読んでみたけど、なに言ってんのかわかんねぇんだが」といわれました。そもそもなぜ読もうと思ったのか謎ですが……。

 

そこで、自分が新しいことを学ぶときにやっている方法を伝えると、思いのほか反響がよかったので(1名だけですが。苦笑)、なんとなく整理してみました。

この時期、異動で仕事が変わったり、新卒は入社して学ぶことばかりだったりと、新しい分野の勉強が必要な方も多いかと思います。自分なりの方程式ですので、どなたにも通用するとは限りませんが、なにかのご参考にでもなりましたら……。

 

 

1.「サルでもわかる〜」的な入門書を辞書として使う

俗にいう「サルでもわかる〜」のようなタイトルの書籍や「図解雑学シリーズ」のような入門者向けの参考書を買います。

たとえば、筆者がクラウゼヴィッツの『戦争論』を読んでいたときは、原書房さんから出版されている『クラウゼヴィッツ「戦争論」入門』を一緒に購入して、常に横に置いておきました。これを、原典を読んでいてわからない点、わかりにくい点が出てきたときに辞書として使うようにするのです。

 

戦争論〈上〉 (岩波文庫)

戦争論〈上〉 (岩波文庫)

 
クラウゼヴィッツ「戦争論」入門

クラウゼヴィッツ「戦争論」入門

 

 

入門書は、なるべく「そのジャンルに強い出版社」から出ているものや「そのジャンルに精通している方」の書かれたものが良いと思います。原書房さんは古くから軍事関連書籍を多数出版されているため(そこが同社のスタートだそうです)、筆者は同社の入門書を選びました(この入門書自体もなかなかに難解なのですが……)

 

また、この一冊を選んだ理由はもうひとつあります。それは「きちんと各章、各節ごとに解説してくれている」点です。

ある書籍の読み方と題された入門書には、大きく2タイプがあると思います。

1つは、原典の第1章から最終章までを、各章ごとに丁寧に追っていくタイプです。筆者が以前、このブログで『戦争論』について解説していたスタイルですね。

 

smug.hatenablog.com

 

上記の『クラウゼヴィッツ「戦争論」入門』は、このスタイルです。辞書として使うには、こうした構成の入門書でないと難しいのですよね(一方、体系的に学びにくいという難点はありますが)

 

もう1つは、その著作を概括するスタイルの入門書です。ぱっと思いついたところでは、ドラッカーの『マネジメント』の入門書として名を馳せた『もしドラ』とか(これ面白いですよね。引っ越しを手伝った友人の自宅で見つけて、仕事放置して一気読みしました。苦笑)

 

 

主人公の女の子がチームを強くするためにあれこれ頑張る中で適宜ドラッカーのエッセンスが引用されています。

 

欲をいえば、前者のタイプの入門書を併用して逐次的な理解を深めて原典を読了し、その後に後者のタイプの入門書で理解した内容をさらいながら全体的な概観をつかむ、というのがより良いと思います。ただ、前者の逐次型の入門書は意外と少なく、後者の体系的な入門書で代用せざるを得ないことが多いですね(経験則)

 

2.(原典がないケース)入門書と専門書を一緒に買う

1. は、はっきりと原典がある場合の話でしたが、仕事で必要な知識を勉強するときなどは、むしろ原典がない場合がほとんどだと思います。

ただ、この場合もやることは変わりません。入門書と専門書を一緒に買い、専門書を読み進めながら入門書を辞書として使うようにします。ベースは専門書です。

 

なぜ専門書がベースなのかというと、知識を学ぶのは「実践で活かすため」だからです。

その目的に照らしますと、入門書をベースにするのは効率が悪いのですね。入門書は大抵、原因と結果だけが書いてあって、その過程がバッサリ抜け落ちている(あるいは説明が甘い)からです。ときに「なんかしっくりこないけど、とりあえずそういうものなんだな」と割り切らないと、どうしようもないことも多いです。堂々と「いったんそういうものだと思ってください」と書いてある本もよく見かけます。

ですが、こうした本で学んだことは知識として定着しにくいので、数日たつとあっさり忘れます。そのため、知識を「知る」ための辞書、きちんと「定着」させるための専門書といった具合に用途を分けています(専門書もモノによりますが)

 

さて、2. の一例を挙げておきますと、たとえば、筆者がファイナンスについて最初に学んだとき、グロービスの『MBAファイナンス』を専門書に選び、入門書には『世界のエリートがやっている会計の新しい教科書』という本を選びました。

 

[新版]グロービスMBAファイナンス

[新版]グロービスMBAファイナンス

 

 

世界のエリートがやっている 会計の新しい教科書

世界のエリートがやっている 会計の新しい教科書

 

 

この2つを選んだ理由としましては……。

前者は単純に「評判」です。知人の多くが「いいよー」「いいよー」と言っていたので選びました。軽く立ち読みで拝見したときに、ケーススタディなど自分で頭を使って考えるコンテンツが多いのも好印象でした。まさに「実践的に学ぶ専門書」ですね。

後者は、立ち読みして「いいな」と思ったからです。入門書なのに「なぜ会計はこういう仕組みになっているのか?」をすごく丁寧に説明してくれていました(本来、入門書ってそうあるべきだと思うのですが)。長年の疑問だった「資本金1,000万って書いてあるのに、会社に『資本金見せてください』って言ったら『ない』っていわれたのなんで?」を解消してくれたのがこの本だけだった、というのも大きかったですね。

 

もっとも、1.のケースと異なり、2.の場合、入門書が専門書を補完してくれることは極めて稀なため、不足している点は適宜ネットなどで調べたり、べつの入門書で穴を埋めたりする必要があります。

 

3. 初心者でもわかるように自分の言葉でまとめ直す

学生時代、テスト前に友達に勉強を教えてあげた結果、自分の理解も深まったという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。これは、それと同じ効果を狙っています。ワードでもテキストエディタでもtwitterでもEvernoteでもなんでもいいのですが、専門書に書かれていたことを、自分の言葉でまとめ直します。

 

このときに意識していたのは「それについて知らない友人に説明するように」「タラちゃんに説明するように」まとめ直すということでした。そうすると、理解した知識を体系立てたり、より噛み砕いたりする必要が生じますが、この作業が自分の理解を深める上でとても有効です。

 

4. 反対者の書籍や記事を読む

一面から物事を見ていても、正しく学ぶことはできません。物事には大抵、ポジティブな面とネガティブな面がありますから、双方について学ぶ必要があります。よって、学ぶテーマについて肯定的な著作だけでなく、批判的な著作にも目を通します(注意していただきたいのは「否定的」ではなく「批判的」であるという点です)

ネットでその手の記事を探すのも良いですね。特に批判的な意見は書籍で探すのがなかなか難しい一方、ネットではわりとあっさり見つけることができます。ただ、ネットの場合はその根拠が明示されていないケースも多いため、必ず自分で裏を取るようにしましょう。

 

昔の筆者は、ある書籍を読んでいると盲目的になりやすい性格でした。知識欲が満たされていくことで、内容を冷静に振り返ることができなくなるといいますか(洗脳に近いイメージですね)。それを防ぐために始めたのが、この方法です。

実際、批判者は自分の気づかない点や、論点の穴などを教えてくれるので、効率よく深く理解するために非常に有益です。

 

5. 漫画や小説で勉強する

学びたいテーマについて、漫画や小説で扱っている作品があれば、それを読むのもオススメです。ストーリー性があるのですんなり理解できますし、楽しく学べるので飽きもきません。

特に歴史など、そもそもストーリー性があるテーマについて学びたいときに、この方法は最も効果的だと思います。集英社の『学習まんが 日本の歴史』は小学生時代にお世話になった方も多いと思いますが、あれは「漫画」というメディアの特長を活かした素晴らしい学習ツールではないかと。

 

 

筆者も、大好きな川原正敏先生の『修羅の刻』でやたら日本史(というか戦国史?)にはまりました。あと、いま医療系メディアの会社に就職した関係で『白い巨塔』や『ブラックジャックによろしく』『ゴッドハンド輝』などなど買い直していますが、かなり役に立ちます。

ただ、演出ゆえに現実ではありえないシーンもあるため、すべてを鵜呑みにするわけにはいきません。また、これだけでテーマについて体系的に理解することは、おそらく不可能です。そのあたりを別の方法で補完する必要がありますね。

個人的には、1. や 2. の方法を取る前のウォーミングアップ感覚でやると良い方法なのかなと思います。

 

6. 誰かに教える想定でロープレする

3. の自分の言葉でまとめ直すと同じ効果を狙っているのですが、まとめ直すよりも、誰かに教える想定でぶつぶつロープレしたほうが、圧倒的に定着する気がします(筆者だけでしょうか)。先に挙げた、テスト前に友達に勉強を教えるイメージですね。

 

ただ、これは油断すると怪しい人になってしまうので、十分に気をつけてください。筆者はニート時代、外出から戻る際、家の最寄駅から自宅まで歩く30分の間、終始『戦争論』など軍事関連の著作についてぶつぶつ講義風に喋っていましたが、そのせいで一度、職質されました。……まぁ、戦争なんて物騒な話題について夜中に独り言をぶつぶつ言っていれば、そうなりますよね……(やるときは家でやりましょう)

 

7. ネット上で公開する

この効果は、先の 3.(や 6.)と同じですが、もう一つメリットがあります。それは「ネット上の人たちがコメントをくれるかもしれない」点です。

筆者も今回のラノベ新人賞の件をブログで公開した後、本当に多くの方からいろいろなアドバイスをいただきました。中にはプロの作家の方が、わざわざ作品を読んでくださり、ご自身のブログで「ここが良かった」「ここが足りない」と具体的なアドバイスまでくださいました。お忙しいのに、そこまでしてくださったことには、本当に感謝しかありません(いい年して恥ずかしながら、わりと本気でうるっときました)

 

もちろん、そのアドバイス欲しさにブログを書くという動機は、ややいかがかと思います。基本は【 Give and Take 】、個人的には【 Give and Give and Give and ... 】くらいでちょうど良いと思います。見返りは求めるものではありませんしね。

 

おまけ:とにかく丸暗記する

教育では悪者の印象が強い丸暗記ですが、筆者は意外と有効な場面もあるのではないかと思っています。といっても、具体的に「どんなとき」というシーンが、なかなか思い浮かばないので、おまけにしました。

 

かわりといってはなんですが、一つだけ知人の例を紹介したいと思います。

5年前の話なのですが、英語も中国語も話せない大学時代の友人が中国支社に異動になりました(中国地方ではなく、チャイナです)。当然、英語と中国語を勉強しなければならないのですが、その方法として、彼は「大好きなアメリカと中国の映画を、セリフをすべて丸暗記するまでひたすら見直した」そうです。

そして、それを5作ほどやりきると、仕事で相手の喋っていることが大体わかるようになったとのこと。

 

かなり乱暴な例ですが、聞いたときは目からウロコでした。とはいえ、筆者は外国語に興味がないので試していないのですが。苦笑。

 

……と、こんなところでしょうか。まだいくつか意識していることがあるんですが、思い出せないくらい些細なことだと思っておくことにします。苦笑。思い出したら、追記します。

 

 

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《露骨な宣伝》

趣味で海戦の小説を書いていたりします。