cachikuのブログ

元「本を読んだ気になるブログ」です。個人の備忘録である点は変わりません。

就活の計算問題で、筆算はご法度。

社内で新卒生が筆記試験を受けている様子が目に入ることが増えました。みんながんばれー(内定が出なかった俺みたいになるなよー)と思いつつ、ちょっと思い出したことがあるので、なんとなく書きます。仕事の要領にも通じる話な気がしたので、備忘録までに。

 

就活の筆記試験の中には、大量の計算問題を短時間で解かせるものがあります。たとえば、

 

問:123*45の答えを次から選びなさい
(A)5,225 (B)5,341 (C)5,535 (D)5,693

 

こんな感じの問題が、40〜50題くらいずらりと並んでいるイメージです。中途採用などでもたまにありますね。

ゆっくり時間をかけて筆算でもすれば、簡単ですね。ただ厄介なのは、この手の試験は制限時間が短いという点です。だいたい30分くらいです。

こうした問題・全40〜50問を、たとえば「30分で解いてください」といわれると、多くの就活生は焦ってしまいます。なんせ1問にかけられる時間は1分未満。「できるわけない」と最初から及び腰になってしまう就活生がいるのも、なんとなくわかります。

 

ただ、こうした「一見するとできそうにないこと」には、これからの仕事の中で何度でもぶつかります。そのとき「できません」は、もちろん通りません(もともと理不尽なことは別ですけどね)

 

では、上記のような大量の問題を要領良く解くには、どうすれば良いのでしょうか。

 

既存の方法を捨てる

そもそも「真面目に筆算していては、時間が足りない」わけですから、既存の方法(ここでは筆算を想定しています)を捨てて、なにか別の方法はないか考える必要があります。

 

ここで大事なのは「なにか別の方法があるはずだと考える」ことができるかどうかです。就活生のなかには「それでも真面目に筆算で挑む」学生がいますが、それでは試験を突破できません。

なぜか? そもそもこの手の試験はそのような「正しく計算する力」を求めていないからです。

 

この決断には勇気がいるかと思います(就職試験ですしね)。ですが、このような「単純な問題を、真面目に計算していては明らかに足りない制限時間で大量に解かせる試験」が求めているのは、こうした判断力や機転です。筆算ゴリ押しで(ほぼ)全問打破できる計算力がある人を除いては、筆算で勝負を挑んでも返り討ちに遭ってしまいます。

 

一見すると理不尽に見える課題にぶつかったときは、そもそもその課題がなにを求めているのか?(今回の場合、それは計算力ではありません)それを考える癖をつけることが大切です。

 

求めるべきものを正しく認識する

では、既存の方法を捨てるとして、どう対応すれば良いのでしょうか。

ここで大切なのは、「そもそも自分が求めるべきものがなんなのか?」を正しく認識することです。

 

上の問題を例としましょう。

この問題で求められている解答は、123*45の正しい結果ではありません。

(A)から(D)の4つの選択肢のうち、どれが正しいのか、です。

 

計算問題が出てくると、おそらく多くの方が無意識に「その正しい計算結果」を求めようとしてしまうと思います。ですが、上の問題は選択式ですので「正しい計算結果」は必要ありません。「正しい選択肢」がわかれば大丈夫です。これに気づけるかどうかが重要です。

 

1の位に着目する

これで求めるべきものが「正しい選択肢」であることがわかりました。となると、重要なのは「選択肢同士の違い」ということになります。

そこで、4つの選択肢を眺めて、正しい選択肢を見極める上でポイントになりそうな違いを探します。なにがあるでしょうか?

 

ここで注目すべきは「1の位」です。

乗数の1の位は、もとの両方の数の1の位を掛け合わせた結果の1の位と同じです。……わかりにくい説明ですね。

上の例題でいえば、123の3(もとの数の1の位)と、45の5(もとの数の1の位)を掛け合わせた数(=15)の1の位、つまり「5」が、123*45の1の位でもある、というわけです。123*45の10の位や100の位は、繰り上がりなどが影響してくるので簡単には把握できませんが、1の位ならこのように簡単にわかります。

 

そして、この1の位がわかることで、上の例題の正解が(A)と(C)の2つに絞られました。残りの2つは1の位が5ではないからです。

 

このように、正しい選択肢を見極めるポイントが見抜けるかどうかが鍵です。目のつけどころとでもいいましょうか。

ただ、このポイントに気づければ、問題文を読む時間など細かい時間を含めても、選択肢を半分に絞るまでの所要時間は、5〜6秒くらいにまで縮められます。

 

概算する

残りの2つの選択肢から正解を絞る方法は、概算です。これは実際にやりながら説明します。

 

問:123*45の答えを次から選びなさい

(A)5,225(C)5,535

 

まず123を120と、45を40と考えます。すると、計算式は120*40となります。これくらいなら暗算で簡単に求められると思います。4,800ですね。

 

ですが、実際の計算式は「123*45」です。つまりこの概算は、もとの計算から「120を5つほど」落とした数です。

よって、120*5=「600」を「4,800」に足し戻します。4,800+600=5,400。

つまり、123*45の答えは「5,400に近い」ことがわかります。

 

さらに一歩進めると、123を120のまま計算しているので、より正確には「5,400よりも大きい」となります。

 

よって、選ぶべき答えは【(C)5,535 】です。

 

ここでも正確な答えを求める必要はありません。ただ(A)と(C)のどちらを選ぶべきなのかわかればいいだけです。そのため、もとの計算式を暗算できる簡単な式に置き換えてしまい、概算します。

 

このやり方ですと、1問だいたい20〜30秒くらいで解けるかと思います。就活生の皆さんは、もしよろしければ、ぜひ参考にしてみてください。……もっとも、この方法は文章題とかにはあまり有効ではないので、その点はお気をつけください。苦笑。