cachikuのブログ

元「本を読んだ気になるブログ」です。個人の備忘録である点は変わりません。

【移転しました】3年半ニートだった人間が26日(半分嘘)で内定を獲得するために意識したこと

移転しました。

(追記・修正の上、移転しました)

 

swatanabe.hatenablog.com

 

(以下、元記事。上記リンクより内容が古いです)

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釣りっぽいタイトルは好きじゃないのですが、わかりやすさ優先とこのあいだの記事となんとなくかぶらせたくて、こんな見出しにしてみました。半分嘘がどういうことかは、後ほどご説明いたします。

3年半ふらふらし続けたニートが就職できたことを不思議に感じていらっしゃる方、その裏側を知りたいという方が意外と多い印象だったので、こんな情報でも役に立つのかなと思い、なんとなく公開してみたいと思います。ただ、特に大したことはしていないと思うので、当たり前のことがずらっと並ぶかと思います……。

 

というわけで、あらためて筆者のスペックから。現状、就活されている方に「あ、こんな社会的産業廃棄物でも就職できたんだ」と希望を持っていただければと思います(そのために、ちょいちょい余分な情報も書くかと思いますが、甘受いただけましたら幸いです)

 

1. 筆者のスペック

  • 新卒で内定が出ず、派遣社員で社員15人の教育系ベンチャーに入社するも、3ヵ月で退職。
  • 3ヵ月後、予備校に入社するも、10ヵ月で退職。
  • 総合人材サービス会社に入社。前々回の記事でもふれた通り、ラノベ作家になりたいと上司に告げて、2年11ヵ月で退職。
  • これまで3年つづいた会社がなく、退職理由もどれもネガティブ。正社員だったことも一度もない。
  • 過去の転職活動では、100社ほど応募して書類通過が20社ほど。面接通過は内定先のみ(ほかはすべて一次落ち)
  • これまでの会社でMVPなどの受賞歴はいっさいなし。

 

ご覧の通り、世間的に見ると限りなくダメ社会人です。

特にやりたいこともなかった新卒時代は、どんな仕事に対しても志望動機を持つことができず、建前(というか嘘)ばかりしゃべっていました。もちろん深く突っこまれたらなにも答えられません。また、やりたくもないことを調べる気概などないので、仕事や企業についてもロクに研究などしませんでした。だから、なにか質問されるとボロを出すばかりで落選が続き、どうせ落ちるとわかっているので、やがて就活自体しなくなりました。

転職活動も似たようなものでした。とにかく数を打って、適当なことを並べ立てて、最終的に内定が出た会社に入った、文字通りそんな感じです。

 

そこで今回の就活に関しては、この真逆をいくことにしました。たぶんそれが功を奏したのだと思いますが、今回は2社だけ面接を受けて、26日で内定を獲得することができました。

 

2. 就活期間

筆者が就活に取り組んだ期間は、GA文庫対象の締め切りから3日後の【 2016年12月3日 】から【 2016年12月29日 】までです。所要26日でした。

 

 

3. 取り組んだこと・意識していたこと(前準備編)

少し本筋から逸れる項目もありますが、とりあえず関係がありそうなことをざっと書いていこうと思います。そのため、最初のほうは前準備のような話ばかりで、会社の探し方や人材紹介会社の選び方など、おそらく多くの方が知りたいであろう話(要は26日間の具体的な話)はけっこう後半に追いやられてしまっています。何卒ご容赦くださいませ。

 

ラノベの新人賞受賞に全力をかける

これが一番大きいです。

前職を辞めてラノベの新人賞受賞をめざすと決めたとき、やるからには徹底的にやると決めました。理由は「自分の中で『やりきった』といえるものがほしかったから」そして「将来の就活に際してアピールできるレベルにしておきたかったから」です。特に後者の理由が強いですね。

 

これまで特にやりたいこともなく生きてきました。具体的には、平日は会社に行って、土日はニコニコ見たりネトゲやったりプレステやスーファミ引っ張り出してきたりして、夜になったら寝る、そんな生活を送ってきました。

仕事にも興味はありませんでした。「生きていけるぶんのお金が稼げればいい」という考え方の人間のため、昇給にも興味はなく、キャリアを磨くことにも仕事のスキルを高めることにも関心はゼロ。ぶっちゃけ、ニコニコのための通信費、たまにネトゲで課金するための軍資金、たまにゲームやるためのお金だけあれば良かったです。ファッションや食事、旅行など、おそらく世間の人が強い関心を寄せることには、まるで無頓着でした。

 

ただ、これまでそんなやる気のない感じで仕事に取り組んできたので、ここでニートになったらいよいよ就職先はなくなるだろうという危機感はありました。前職を辞めたのは29歳。退職日には冗談抜きで「明日から本気出す」思いでした。

このとき「実際、そこまで本気になれるのか?」という点は、あまり不安に思っていませんでした。それまでなに一つ長続きせず、自信をもって「やりきった」と言えることのない人生でしたが(そしてそれが個人的にはかなりコンプレックスでしたが)、はじめて自然と「これをやりたい」と思えることだったので大丈夫だろう、くらいに軽く構えていました。

 

就活に限らず、大事だと思うのはこの「とことんやりきったことがあるかどうか」かなと思っています。そして、その中身は正直なんでもいいのではないかとも。

では、その「とことん」とは、具体的にどの程度のレベルを指すのでしょうか。それが次の話になります。

 

PDCAを徹底的に回して受賞をめざす

企業がほしがる人材に共通する特徴はいろいろあると思いますが、なによりも重要なのは「人に言われずともPDCAを回して、仕事に取り組めること」だと考えていました。そこで、ラノベ新人賞の受賞をめざす上でも、この点をなによりも徹底しました。ただ漫然と取り組むのではなく「とことん」考えて取り組むというわけですね。そのあたりの詳細は、以前のエントリーをご覧いただければと思います。

 

 

smug.hatenablog.com

 

それまでの人生でPDCAを回して仕事をしたことなど、一度もありませんでした。目の前の仕事を片づけて家に帰る、ただそれだけを繰り返していました。そのため転職の面接で「仕事で意識していたことは?」などと訊かれても、なにも答えられることがありませんでした。

ただ思えば、どこの企業もこれを尋ねてくるわけですから、それまでまともにPDCAを回してこなかった人間が転職しようとしたところで、内定が出るわけないんですよね。100社も受けて1社しか内定が出なかったのも宜なるかなと言いますか、なんでもっと早く気づかないんだと言いますか……。

 

ここで、やや余談です。

ニートが就活で有利なのは「人事側の期待値がそもそも低い」という点と「仕事以外の点で評価してもらえる」点だと思います。

以前、前職の同僚が「べつにやりたくもない仕事に必死になって取り組まないといけないのは苦痛でしかない」と愚痴っていました。これを踏まえると、彼は「やりたくもないことにどう必死に取り組んだか?」をアピールする必要がある、言い換えれば「日々やりたくもないことに必死に取り組まないと、将来の転職の可能性=やりたくないことから抜け出すチャンスを狭めてしまう」わけです。なんだかジレンマですね。

 

その点で言えば、ニートはそもそも働いていませんから、その必要がありません。むしろ「やりたいこと」「好きなこと」で努力したプロセスを評価してもらえる点で、おそらく選考がすごくやりやすいです。実際、筆者もビジネスパーソンとして受けた面接よりも、ニートとして受けた面接のほうが圧倒的に楽でした

もっとも、2社しか受けていないので偶然そうだった可能性もあります。ただ、記事の後半の会社の探し方などと合わせていただけると、この偶然の可能性をかなり高めることができるのではないかとも思っています。

 

ラノベ新人賞受賞をめざすしかないくらい環境を劇的に変える

先に「これまで何一つ長続きしなかったけど、今回は大丈夫だろうと思った」と書きましたが、念のため保険は打ちました。ニートは基本的に自宅にいるので、周囲には誘惑が多いので。そこで、デッドラインを32〜33歳までと決め、その短い時間すべてを文字通りラノベ新人賞をめざすためだけに捧げる環境を整えました。

具体的にやったことは以下の通りです。

 

・(もし持っていたら)スマホガラケーに変える

もともとガラケーの人間(2009年発売のDOCOMO Styleシリーズ。堀北真希さんの持っていたモデル。古い。苦笑)のため必要ないことでしたが、もしスマホを持っていたら解約したと思います。ソシャゲにはまる可能性があるからです。

 

・携帯とPCのメールアドレスを変える

メールアドレスを変更しました。もっとも、すでにメール文化はなきに等しい時代ですから、ほぼ意味なかったですね……。

 

ブラウザゲームのアカウントをすべて解約した

前職時代、やたらにブラウザゲームにはまっていました。この時間を作家修行に回すため、アカウントを削除しました。

 

・友人の誘いはすべて断る

遊び、飲み会、結婚式など、あらゆる誘いを断りました。交友関係が破綻するのは覚悟の上でしたが、わりと今でも続いています。

 

・1日16時間は必ず小説の勉強に充てる

具体的には、朝8時から翌朝4時まで。このうち食事など最低限の必要な時間を除いて16時間は確保するようにしていました。

 

・睡眠時間が4時間でも大丈夫な体をつくる

もともと大学時代まで運動していたので(中学では陸上部。高校では陸上部、柔道部、卓球部など。大学ではセパタクロー。社会人になってからは片道30キロをロードバイクで通勤していました。もちろん、どれも長続きしていませんが……)、体力には自信があったのですが、それでも4時間睡眠はなかなかきつかったので、さらに鍛えるようにしていました。ただ、生活を完全にルーティン化していたので、わりと早く体が慣れてくれたので、そこまで苦労はなかったです。

また保険として、睡眠を浅くするようにしていました。具体的には、枕の上に丸めた掛け布団を乗せて、その上に頭を乗せて寝ていました。ものすごく高い枕にしていたというわけですね。

 

・漫画とゲームのサントラをすべて売った

この2つは大好きなもの(特に後者)だったのですが、すべて売りました。「スーパードンキーコング2」のサントラは、かなり悲しかったのを覚えています……。

 

AmazoniTunesのアカウントを解約した

また、クレカさえあれば、iTunesなどからサントラダウンロードし放題ですので、ネット通販も縛りました。

 

・周りに「受賞をめざしている」と公言する

言ってしまえば、逃げられなくなります。逃げたら赤っ恥です。本気で取り組み、たとえ受賞とはいかないまでも、それを感じさせるくらいの成果を出さなければ。

とは言え、このときすでに連絡先を変えているので、伝えたのは本当に少数の人だけ(ニート中に手伝っていた仕事の関係者のみ)です。そのため、意味があったかどうかは正直、微妙ですね……。苦笑。

 

ほかにもいろいろあった気はするのですが、ぶっちゃけ忘れてしまいました……。

とにもかくにも、こんな感じに、環境を「ほかにやることがない」くらいまで変えていきました。とかく誘惑に弱い人間のため、自分の生活を徹底的に縛っていきました。

 

といったところが、大まかな「前準備編」です。タイトルは26日(半分嘘)と書いていますが、この前準備がその「半分」です。

 

4. 取り組んだこと・意識していたこと(就活編)

ここからは、実際の就活で取り組んだこと・意識していたことについて書いていきたいと思います。

 

*「できること」ではなく「やりたいこと」から仕事を探す

まずは、心構えの話。

就活していると「やりたいことではなく、できることをやろう。そうすると、それが自然とやりたいことになってくる」という言葉に出会うことがあるかと思います。それが正しいのかどうかは人によって変わってくるかと思いますが、少なくとも筆者には合いませんでした。

 

少し気になって、いろいろな企業の採用ホームページを覗いてみましたが、登場している社員の皆さんの志望理由は「したい」「やってみたい」というものばかりで、誰一人「この会社の仕事ができると思った」と語っている方はいらっしゃいませんでした

 

……というのは少し(かなり?)性格が悪い話ですが(苦笑)、ただ少なくとも「いかにその仕事が自分にできることだったとしても、そもそも仕事を選ぶ段階では、誰もが『やりたい/やりたくない』を基準に選んでいる」のだと思いました。

また、筆者は「誰だってなにかを始めるときは『やりたい』『やってみたい』って気持ちがあるから取り組むわけで、その気持ちがあるから練習や勉強も続けられる。その結果として『できる』ようになる」という考え方だったので、就活でもとにかく「やりたいこと」から仕事を探しました。おかげで、書類作成で嘘や建前を書く必要もなく、面接でも「やりたいことができれば、正直、生きていけるだけのお金が稼げればいいです」などと、堂々と言っていました。

 

この言葉に限らず、ご自身の価値観とまったく異なる方の意見は、あくまでも参考程度でいいと個人的には思います。どんなに有名な識者の方がおっしゃっている言葉でも、その方はあなた自身ではありません。つまり、その言葉はあなたに合っているかどうかを踏まえた上での言葉ではないので、あまり役には立たないと思います。何事も自己判断が大切かと。

 

ただ、ここで大切なのは、その「やりたいこと」で具体的に取り組んだ活動があるということです。筆者の場合、ラノベの新人賞受賞をめざした、ということですね。「やりたい」と口だけで言っても、応募先の人事や面接官には伝わりません。

ソシャゲが好きなら、自分が好きなソシャゲを極めるくらいプレーする。ゲームが好きなら、とことんまで解析する。この「極めようとする」「とことんまで追究する」姿勢があるからこそ、この「やりたい」という気持ちを相手に伝えることができると思います

 

*「自分を拾ってくれる会社」を探す

要は「高望みはしない」ということです。

筆者はこれまで3年もった会社がありませんでした。1浪1留のため、大学を卒業した年には25歳。そこから3ヵ月、10ヵ月、2年11ヵ月で会社を辞め、転籍を含めて4社を転々としました。29歳にして転職3回(転籍含む)、そこから3年半ニートというキャリアです。

そんな人間を採用してくれる会社など、まずありません。だからこそ会社を選んではいけないと決めていました。

 

ここで疑問に思われるであろうことは、直近の「やりたいことから仕事を探す」という話と食い違うのではないか? という点です。

この2つが具体的にどう違うのかと、やりたいことから探すのは「仕事」であり、選んではいけなのは「会社」だということです。つまり、営業職(仕事)がやりたい場合、これは譲ってはいけません。ただ、どこの会社で営業職をやりたいのか(会社)は選んではいけません、ということです。

 

*とにかく数を打つ

やはり数を打つことが大切です。上記2軸を満たす会社に、片っ端から応募します。

そういうと「ちゃんと会社のことを調べてから応募しろ」と言われそうです。人事も忙しいので、無駄に応募などしてほしくないでしょう。

ですが、実際に応募してみないことには、そして会って話してみないことには、そもそも自分に合っているのかどうかもわかりません。会社のホームページに公開されている情報などたかがしれています。そこからわかることもたくさんありますが、わからないことのほうが多いですし、そのあたりの情報にこそこちらが知るべきものがたくさんあります。

よって、応募の段階でとにかく数を打ちました。文字通り「数撃ちゃ当たる」です。

 

*人材紹介会社を使う

ですが、この2軸を満たす会社を大量に探すのは、なかなか労力がいります。リクナビNEXTやエン・ジャパンなんかの案件を逐一自分でチェックするのは大変……。そこで人材紹介会社に登録しました。

ただ、ここで重要なのは「自分に合った紹介会社なのかどうか」という点です。

 

人材紹介会社はたくさんあり、それぞれ特徴が違います。そして、自分が望む形で就活を進められる会社に登録しないと、むしろストレスがたまります。「キャリアが汚れている人には、とりあえず営業職ばかりが回される」といったことは今でも普通にあるそうですから(前職の知人・談)、慎重に選びましょう。

筆者の場合、人材紹介会社に求める条件は前述の内容から次のようになりました。

 

  • とにかく数を打ってくれる
  • こちらの「仕事は選ぶけど、会社は選ばない」姿勢を受け入れてくれる

 

この2つを満たす紹介会社として、筆者が選んだのはW社でした。ちなみに1社だけにしたのは、管理が面倒だからです。

W社の紹介の理念は「実際に企業の人と会って、話して、確かめてもらう」というものです。そのため、とにかく数を打ってくれます。「どんどん会いに行って!」というわけですね。このやり方が合わない人もいるでしょうが、筆者にとってはむしろうれしいスタイルでした。

ちなみに、こうした理念はホームページなどを見ても出ていないことが多いので、一度登録してどんな紹介スタンスかを聴くと良いでしょう。筆者もいろいろ登録して、紹介事業のスタンスを確認しました。

担当になってくださったキャリアコンサルの方も、こちらの「仕事は選ぶけど、会社は選ばない」というスタンスを理解してくださったので、ここで就活を進めました。

 

*コンサルとの面談では必ず本音を貫く

キャリアコンサルとの面談で意識したのは、絶対に遠慮しないということです。本音を貫きました。

たとえば、筆者はライター職を志望していましたが(小説を書くことくらいしかやってこなかったので)、コンサルの方から「営業職などはどうですか?」という質問を受けました。

これまでの転職活動では、なんか断るのが申し訳なくて「じゃあ一応……」的な感じで渋々受けていましたが、そうするとほぼ営業職しか案件がこなくなります。こちらが専門職の経験や社会人経験がないと、なおさらです。

 

だから「いえ、営業職は考えていません。ライター職を中心に、webの編集職などをお願いします」と、きっぱりお断りしました。ここで断らないとズルズルいって終わりだからです。

人によっては相手に気を遣ってしまう方もいらっしゃるかと思いますが、「遠慮して内定が出なければ、紹介会社の実績にもならないんだから、相手のためにもここは断るのが一番」くらいの気持ちが良いと思います。

 

*コンサルには希望職種だけ伝える(抽象的な希望は伝えない)

業界や会社に関する希望を伝えないようにしていました。なぜなら、それだけでコンサルのフィルターが強まり、出してくれる案件数が減るからです。数を撃たなければならないニートにとって、これは致命的です。

 

たとえば、「アットホームな会社がいいです」と希望を伝えたとしましょう。すると、相手はそれに合った案件を探します。

ですが、そもそも「アットホーム」というのは人によって捉え方が違います。和気あいあい仲が良いのを「アットホーム」と感じる人もいれば、みんながあだなで呼び合う雰囲気を「アットホーム」と感じる人もいるでしょう。千差万別です。そして、前者のように感じるキャリアコンサルの方は、後者の会社を紹介してはくれません。ですが、もし応募者にとっての「アットホーム」がまさに後者だったら、この段階ですでにミスマッチが発生し、内定の確率が落ちることになります。

 

このように、抽象的な希望を伝えるとそれだけでキャリアコンサルの方の勝手なフィルターがかかって紹介される案件数が減ってしまうので、ニートの方の就活においてはあまり効果的ではないと思います。

こうした社風など「会社自体に求めるもの」は、実際に会社に行って、社員に聴いて判断すべき点だと個人的には思います。紹介会社のコンサルに「そうした会社をお願いします」と言ってしまうと、いろいろ不都合しかないのではないかなと……。

 

さて、こうしていろいろな会社を紹介してもらう段階まで来ました。ちなみに、筆者が面談時に紹介してもらったのは、50社ほど。webメディアのライターを中心に、編集者や校閲者、原稿確認担当、ECサイトの運営などいろいろありました。ラノベの編集者とかもありましたね(試しに応募してみたら普通に書類で落ちました。笑)

 

そして、この段階では求人票をざっと眺めて、特に仕事内容に違和感を覚えなければ、応募をお願いします。筆者は30社ほど出しました。

 

*職歴書には、伝えたいことをすべて書く

コンサルに提出する職歴書には、必ず伝えたいことをすべて書いておきました。たとえば筆者の場合、「人となり」は知っておいてほしいと思ったので、経歴とは別に書面を用意して、たとえば以下のようなことを書いていました。

 

  • 量より質。●●●●のプロジェクトを離れたのも、記事数を優先する同社と合わなかったためでした。
  • データ集めや調査などが好きです。執筆もその手の記事のほうが得意です。
  • 興味のあることであれば、とことん勉強します。
  • 良くも悪くも、こだわりが強いです。
  • こうあるべきだと確信したら、それは譲りません。
  • よく人から「そこまでする必要ある?」と言われるレベルまでクオリティを追求するタイプです。
  • ユーザーのためなら、たとえ相手が上司でも説得します。
  • よく「ドM」と言われます。
  • 瞬発力が必要な受け答えは苦手です。じっくり考えて答えを出すタイプです。
  • なにかに取り組んでいると、気がつくと日が変わっていたということがよくあります。
  • シンプルイズベスト。ワンカラム、モノトーンなど、シンプルであればあるほど好きです。
  • これまでの会社の上司から、なぜか例外なく「年上に好かれやすいタイプ」だと言われてきました。

 

上のは実際の職歴書のコピペです。ワード1ページに、こんな感じで大量に箇条書きにしていました。

なぜこんなことをしたかというと、そもそも合わなければ書類の段階で落としてほしかったからです。あと、ニートだったので、人となりくらいしかアピールできるものがなかったというのもありますね。

 

また、なるべく多くのアピールできそうなポイントやネタになりそうなことを余すところなく伝えておきたかったという下心もありました。やり方としてどうなんだと思わなくもないですが(セコいですしね)、そんなことを気にしている余裕は当時の筆者にはありませんでした。伝え漏らして選考に落ちるくらいなら、体裁など気にしないで最初に全部伝えてしまえと、恥も外聞もなく送ってましたね。

 

*企業について調べる

さて、面談を終えて家に戻ったら早速、応募した30社について調べます。ただ、この件数を1社ずつじっくり調べるのは大変です。

筆者は当時、貯金が5桁を切りかけており、年明けから就職しないとまずい状況だったので、就活で最も時間のかかるこの点をいかにすれば効率的に乗り切れるか、特に意識していました。

実際にやったことは、次のとおりです。

 

・ホームページをざっと見て響くところがなければ、準備を保留とする

こういう会社は、合わない可能性が高いと判断しました。そのため、書類で落ちるだろうと(実際そんな感じでした)。この作業を通して、まずは「なんとなく合う」と思った会社のみを選び出しました。

 

・自分のこだわりとマッチする価値観の企業を探す

次に、この「なんとなく合うだろうと思った会社」の中から、「自分自身のこだわりとマッチする特徴があるかどうか」を見極めます。双方の気が合うかどうかを見極めるということですね。

例えば、筆者はラノベ新人賞受賞の傍らで知人の仕事(webメディアのライティングと編集)を手伝っていた時期があるのですが、このとき以下のようなこだわりを持っていました。

 

  • 自社で記事を制作する(キュレーション系ではなく)
  • 量よりも質にこだわる
  • 数字などのデータ、客観的事実、体験談やインタビューなど根拠ある記事を書く

 (作家修行でPDCAとか回すようにならなかったら、こんなこと考えもしなかっただろうなと思います)

 

ここにあるのは一例ですが、こうした自分のこだわりを会社も持っているのかどうかを見極めていきます。あくまでも自分ありきで企業分析に取り組みます。こうして分析した結果、マッチした特徴が多い企業は、内定する可能性が高いと思います。

なお、ここでは仕事上のこだわりを例としましたが、もちろん仕事以外におけるこだわりでも問題ないと思います。筆者も作家修行のなかで持っていたこだわりを職歴書や面接でもアピールしていましたし(その点は繰り返しになりますが、以前の記事をご覧いただければと思います)、面接でも手伝い仕事で大した経歴がないので、ラノベの話ばかり訊かれていました。

 

ここまでの作業を経れば、面接でも困ることはないかなと個人的に思っています。

 

*面接で問答集をつくることは絶対にしない

さて、書類を通過したら面接を受けるわけですが、筆者は今回の就活に際して、面接前に事前準備をいっさいしませんでした。対策本を買ってきて読んだり、よくある質問に対して事前に回答を用意したりといった作業は、すべてスルー。面接1時間前にはカフェで小説を書いたり、本を読んだりしていました。

 

理由は簡単で、過去に建前を話してうまくいった面接が一度もなかったからです。やりたくもないことに無理やり志望理由をとってつけたり、事前に一問一答を用意して臨んだりしても、一度もうまくいきませんでした。

だから、今回の就活では始める前から「絶対に面接の事前準備はしない。聴かれたことに本音のまま答える」と決めていました。そのため、そのぶん面接前の事前準備(職歴書作成や会社探しなど)を徹底的に行いました(というか、それが当たり前のことなんだと思うんですけどね……)

 

実はここが、今回の就活とこれまでの就活・転職活動との大きな違いです。

これまでは、会社に合わせて自分のアピール内容をつくることに注力していました。それに対して今回は、

 

  • 自分が本音のままに話しても大丈夫な(マッチする)会社を探すこと
  • 普段から何に取り組むにつけても「なぜそうするのか?」という理由をもって取り組むこと(要はPDCAを意識するということ)

 

の2点をなによりも意識していました。

正直この2つがしっかりしていれば、面接でどんなことを聴かれようと、よほど変化球な質問でなければ大抵、答えられると思います。やはり普段から取り組んでいること・心がけていることは、自然と言葉になりますね。そのために、あえて「面接前の事前準備はしない」という縛りを設けて、そこを徹底するようにしました。

 

実際、面接でも、

  • 「仕事は生活費を稼ぐためだけのものです。作家になりたいということ以外、やりたいことはありません」
  • 「キャリアを積んだり、スキルを磨いたりすることには、あまり興味がありません」
  • 「仕事にやる気は必要ないと思います」

などと面接で平気で言っていました。もちろん面接官の人事の方は最初、ポカンとしていましたが。

 

ただ、それだけでは落ちて終わってしまうので、「なぜそう思うのか?」という背景は必ず伝えるようにしていました。理由があれば、どんな答えでも大抵、納得してもらえる気がします。

たとえば「仕事にやる気は必要ないと思います」という答えだけでは人事も意味不明でしょうが、そこに「やる気で仕事の成果が左右されること自体、ビジネスとしてあり得ないと思います。やる気がなくても顧客が求める以上の成果を出せるようにしておくことが、仕事のあるべき姿だと考えます」と理由がくっつけば、人事も納得してくれました(もちろん、この理由も本音です。嘘はいけません)

 

ちなみに、「これはさすがに言う必要ないよな」という本音を言う必要は、もちろんないと思うので、隠したままで良いかと。

 

……と、とりあえず書き殴ってみました。勢いのままここまで来たので、ところどころスカスカかもしれません。ただ、もう眠いので、昼寝から起きて読み直してみて、書き足すべきことがあれば、そこで追記したいと思います。

 

5. 実際の経過

最後に、実際にどんな経過を辿ったのか記載しておこうと思います。

 

12月3日 : 就活開始、上記もろもろの分析などに取り組む

12月12日 : 利用する人材紹介会社を決定、企業分析

12月19日 : 入社先の1次面接+実技試験

12月28日 : 入社先の最終面接+筆記試験

12月29日 : 2社目の1次面接、1社目の内定

 

書類はほぼほぼ落ちました(6社くらいしか通りませんでした)。そのなかで最初に書類を通過した会社から内定をいただいたので、そのまま承諾しました。年末という時期のおかげもあってスムーズに進んだので、1ヵ月かからずに終わらせることができたのは本当に運が良かったです(貯金がやばかったので……)