就活は5年たっても(大きくは)なにも改善されていないっぽいと思った話
寝られないので、このあいだ久しぶりに就活生と会って、ちょっと気になったことを調べてみました。
気になったのは「いまだに企業の知りたいことと就活生のアピールに大きなギャップがあるのかな」ということ。
で。さっそくリクルートワークス研究所の就職白書を拝見してみました。
こちら(↓)、2014卒の「企業が重視する採用基準と、学生がアピールしている項目」を集計したデータ。
(画像:リクルートワークス研究所「就職白書2014」より)
そしてこちら(↓)、2018卒の同じデータ。
(画像:リクルートワークス研究所「就職白書2018」より)
企業が重視しているのは、どちらにおいても、
- 人柄
- 自社への熱意
- 今後の可能性
の3点。
そして就活生がアピールしているのは、
- バイト経験
- クラブ・サークル経験
- 人柄
の3点。
まったくもってずれてしまっているわけです。
ちなみに、2015卒〜2017卒は少し状況が違って(↓)人柄アピールがかなりのウェートを占めていました。
*2015卒データ
(画像:リクルートワークス研究所「就職白書2015」より)
*2016卒データ
(画像:リクルートワークス研究所「就職白書2016」より)
*2017卒
(画像:リクルートワークス研究所「就職白書2017」より)
とはいえ、人柄に若干の違いがあるとはいえ、グラフの形ほぼほぼ同じです。つまり就活生と企業のあいだのギャップについては、この5年間でまったくと言っていいほど解消されていない可能性が高そうです。
リファラル採用とかウォンテッドリーの登場とか、新しい採用形態やサービスもいろいろ登場して変わりつつある新卒採用活動。ですが、採用のやり方=手段が変わっているだけで、肝心の目的=相互理解・マッチングという点では、あまり状況は改善されていないのかもしれません。
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就活生はこうしたデータをきちんと仕入れて理論武装することが大事だと個人的には思います。そうしないと根拠のない就活ノウハウを堂々と振り回す大人たちに騙されて、痛い目を見てしまうからです。
たとえば、いまだに猛威を奮っている面接対策のひとつに「短所をひっくり返せば長所になる」というものがあります。「作業が遅い」という短所は「慎重」「作業が丁寧」という長所になるというものです。
もちろんこれはただの屁理屈で、作業が遅い人は大抵、ただ単純に作業が遅いだけです。
また就活メディアの編集に携わっていたとき、多くの人事担当者の方にこの話を振ってみましたが、大抵の方が「短所と向き合えない学生は採用できない。成長の可能性が感じられないから」といった反応でした。
つまり、このノウハウによってメリットを得られるのは、唯一吹聴している人たちだけ(就活生からの信頼を獲得できるという意味で)。就活生と企業という新卒採用の当事者は、どちらもハッピーになれないのです。
ですが、こうした机上の空論は一見するとそれらしく見えるため、騙されてしまう就活生がたくさんいます。そして悲しいことですが、こうした情報格差を利用して就活生を騙すに等しいビジネスを展開している企業があることも事実です。
たとえば、新卒紹介事業を展開しているA社。ここは就活ノウハウを伝授するセミナーで大量に学生を集め、彼・彼女に自社が契約している企業をどんどん紹介していきます。そして就活生たちは内定を獲得していく=A社の実績を積み上げていきます。
そこに就活生と企業のマッチングといった概念はありません。これが手っ取り早く儲かるビジネスモデルだからです。
いはやは、なんとかならんものでしょうか・・・。
とりあえずいい感じに眠くなってきたので、寝ます。なんか書きたくなったら、また追記します。